2012年11月30日金曜日

入:積むのは必至


3手必至問題集(高橋道雄、創元社)

高橋道雄の将棋パワーアップシリーズの一冊。
9手詰将棋』が出た時点では、次は11手詰将棋かと予想したが、
3手必至とは。

詰将棋は娯楽になり得るが、
必至問題はキツいトレーニングというのがオレの印象だ。

9手詰将棋にもまだてこずっており、
本書を積むのはまさに必至。

読了指数
今回: -1
合計: -62

2012年11月21日水曜日

出:すべての賭ける人へ


賭けの考え方 (カジノブックシリーズ)
賭けの考え方 』(イアン・テイラー、マシュー・ヒルガー 著、フジタカシ 訳、パンローリング)

こういう本が読みたかった。
こういう本が書きたかった。

ポーカーについて書かれてはいるが、
あらゆる種目で役に立つ。
パチンコ・パチスロや麻雀、そして株やFXなどのトレードにも。

投資苑にいうところの3つのM、
すなわちMind(心理)、Method(戦略)、Money(資金管理)のうち、
Mindがメインテーマであり、Moneyについても1章がさかれている。
 短く言えば、
「常にベストの精神状態でプレーしなければならない。
そのためには資金管理が最重要である」
ということだ。

何らかの賭けに参加するすべての人にとって、
この本の言葉は納得でき、
思い当たる節があり、
そして耳の痛いものであるだろう。

坂本タクマくらいのキャリアになると
正直、耳にタコができているような話も多い。
しかしそれでも本書は有用であり重要だ。
なぜならそういう話が
「わかっちゃいるけどやめられない」類のことだからだ。
こういうことは何度も何度も己に擦り込まなければならない。
それでも一生かかってもなかなか完璧にはならないだろう。
ただ少しでも高みに近づけるようにと日々努力し続けるのみだ。

本書を本棚のすぐ取り出せる場所に刺しておき、
折に触れ読み返すことにする。
少なくとも1年に1度、各章のまとめのところだけでも読む。
トレードで大きくヤラレた日に、本棚の本書の背にチラリと目をやるだけでも、
心持ちがだいぶ変わってこよう。


──と、このように、
本書の素晴らしさをアピールすること自体が、
賭けの考え方に反するのかも知れない。
ライバルを教育するようなことは
長期的には損なのだろう。
どんなに素晴らしい投資本に対しても
クソミソのレビューを書く人はいるものだが、
彼らに比べれば坂本はまだまだ甘いと言わざるを得ない。

読了指数
今回: +1
合計: -61

2012年11月19日月曜日

入:名作天国


マルタの鷹〔改訳決定版〕(ダシール・ハメット 著、小鷹信光 訳、ハヤカワ文庫)

名作を積む幸せ。
読んじゃったら、おしまいだからね。

読了指数
今回: -1
合計: -62

2012年11月15日木曜日

入:名著まみれ


理科系の作文技術(木下是雄、中公新書)

いつかは読まねばならんと思っていた本。
そんな本が、周りにいっぱい転がってる。

読了指数
今回: -1
合計: -61

2012年11月12日月曜日

出:フィル・合コン


フィル・ゴードンのポーカー攻略法 実践編
フィル・ゴードンのポーカー攻略法 実践編』(フィル・ゴードン 著、百方恵二 監修、松山宗彦 監訳、若杉美奈子・吉田正憲 訳、パンローリング)

楽しい本だ。

著者の実戦から採られたハンドが、詳細に解説されている。
どのように考えて行動したかということがよくわかる。
何より参考になるのは、うまくいった手ばかりではなく、
運悪く負けたときや大失敗をしでかしたときのことも取り上げている点だ。
失敗から学ぶことは大切だが、
なるべくなら自分の失敗よりは他人の失敗から学びたいものだ。

語り口はユーモラスで引き込まれる。
同卓の相手のキャラクターをひと言で表したりあだ名をつけたりするあたり、
ギャンブラーに国境はないと感じる。
このまま漫画にしても面白くなりそうだ。

姉妹編である緑の本を傍らに置いて読まれることをお勧めする。
本書の各ハンドごとに、緑の本のどこを参照すればよいか、ということが巻末に記してある。
ポーカーの理論は1度本を読んだだけではなかなか身につかないが、
本書のような実戦例を通して学べば学習効率が高まるだろう。

本書を読んで改めて思ったのは、
ポーカーというのは「人」の要素がかなり大きいということだ。
周りのヤツらはどんな人間か、自分は周りからどう見られているのか、
ということを常に気にしていなければならない。
まるで合コンのようだ。
本物のポーカーテーブルにも合コンにも
参加したことのないオレが言うのもなんだが。

読了指数
今回: +1
合計: -60

2012年10月29日月曜日

入:教科書だらけ


シナリオの基礎技術(新井一、ダヴィッド社)

勉強勉強。
最近勉強のし過ぎだろうか。
いやいや、こんなもんではまだまだ。

読了指数
今回:-1
合計:-61

2012年10月26日金曜日

出:読み込みの精度


死神の精度 (文春文庫)
死神の精度 』(伊坂幸太郎、文春文庫)

半分読んだところでほっておいた。
奥付から推測すると、4年くらいはほっておいたようだ。

その間にいろいろなことがあった。
震災もあった。
そのときにこの本もどこかに行った。
最近また出てきたので、残りを読んだ。

伊坂幸太郎はこの本が初めてだが、
4年間の中断の間に朝日新聞ではじまった『ガソリン生活』は読んでいる。
新聞小説は他にも、
朝日の筒井康隆と河北新報の宮部みゆきを読んでいる。
昔は連載小説を読むのが苦手だったが、
この数年で習慣づいた。
ここの更新は緩慢であるが、
そこそこものは読んでいるのだ。
電子書籍もあるし。

何の話だったか。
死神の精度、か。
この主人公の死神、『ガソリン生活』の車にちょっと似ている。
死神と車が似ているというのも変な感じだが、
それぞれ「死神から見た人間社会」と
「車から見た人間社会」を描いているという点で、
大ざっぱにくくれば同じ手法が用いられている。
どちらも、微妙にして絶妙なとんちんかんぶりが
ラブリーである。

この『死神の精度』は短編集だ。
短編集は読み通すのが難しい。
すぐに切りのいいところに来てしまうので、
そこでいったん置いといて、
別の本を読み始めたり違う遊びに熱中したり
地震が来たりしている間に
4、5年たっていることはザラにある。

何かいろいろ仕掛けがあって、
前のほうに出てきた人物が
あとのほうで意外な形で再登場する、というようなことが
あるらしいのだが、
何しろ4年の断絶があるためにその辺はよくわからなかった。

それはそれで別にいい。
悔しくはない。
むしろ勝った気がする。

読了指数
今回:+1
合計:-60

2012年10月21日日曜日

出:歴史科学の方法


文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
銃・病原菌・鉄 (上)』(ジャレド・ダイアモンド、草思社文庫)

文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
銃・病原菌・鉄 (下)』(ジャレド・ダイアモンド、草思社文庫)

大変興味深い。
「なぜシマウマは家畜にならなかったのか」という一章だけをとっても興味深い。
出版社によってはうっかりこれをタイトルにしかねないところだ。

むろんシマウマの話などはほんの一部、
本書は1万3000年にも及ぶ人類の軌跡の物語だ。

同じ地球上なのに、どうして地域によってこんなに格差が広がってしまったのか。
その問いに、得られる限りの証拠を引っ張り出して論理的に答えていく。
読み終わると、人種差別なんてものがいかにくだらないかということが
身にしみてわかるようになっている。

たまたま食料生産をはやめに始められる地理的条件が整っていたおかげで
人口密度の高い社会を作り得たから、
ヨーロッパ人は他の大陸にまで進出して先住民を追いやることができたのだ、
ということなんだけれども、
日本国内を見ても似たような現象はとっくに起きている。

人口密度の異常に高い東京圏が突出して繁栄し、
他にいくつかまあまあ栄えている都市があるだけで、
あとは全部疲弊し、衰亡に向かっている。
人口密度に支えられた東京資本が地方に進出し、
地元資本を滅ぼしていく。
いい悪いではなく、これもまた社会科学的に見れば
起こるべくして起こっていることではある。

歴史を科学的に検証するというのが本書のミソだ。
科学といっても実験するわけにはいかないから
いろんな証拠を観察して積み上げていくしかない。
例えば地震学なんかでもほぼそういう研究の仕方なんだろうけれども、
なんといっても相場研究がそれだ。

研究によってある傾向があるのは見つけられるけれども、
100%当たる法則を導くのは無理だ。
多くの科学分野がそうなんだと知ると、ちょっとほっとする。
そして、この著者のような知性が本気で相場を研究したらどうなるんだろうと
詮無いことを考える。

読了指数
今回:+2
合計:-61

2012年10月19日金曜日

入:図鑑かよ


Creative Illustration(Andrew Loomis, Titan Books)

デカい本だ。
図鑑かと思った。

こんな立派なカラーページもある本が、3000円未満で買えた。
個人的には円高はいつまででも続いて欲しい。

古い本ではあるが再版らしく、予約して買ったのだが、そうするとお楽しみの
「発売日までの間で最も安い値段」で買えるという特典がつく。
これがある限り洋書買いはやめられない。

カバーには、「値段の何倍もの価値がある」とか書いてある。
投資本かよ。
鵜呑みにしちゃうぞ。
稼いじゃうぞ。

読了指数
今回:-1
合計:-63

2012年9月30日日曜日

出:暗闇での修行に


ハリウッド・リライティング・バイブル (夢を語る技術シリーズ)
ハリウッド・リライティング・バイブル』(リンダ・シガー、田中裕之・訳、フィルム&メディア研究所・監訳、愛育社)

技術を一からたたき直している。
だいぶ前に買ったこの本をようやく読む。

この本はハリウッド流のシナリオライティング、リライティングの技術書だが、
「お話」で食べていこうとするすべての人に参考になる情報が詰まっている。

ヒットした映画というのは、ほぼ、本書に書いてあるような構成になっているらしい。
確かに、最近観た何本かでは、そうなっていた。
ハリウッド映画、どれ観てもなんか同じ感じがする、というのもその辺りに原因があるのだろう。
ただ、こlこから大きく外れている映画は、どうも面白くない、しっくり来ない、心に残らない、
というふうに感じてしまうのも確かだ。

本書のセオリーから完全に外れて大ヒットをとるのは難しいだろう。
制作者側としては、ここを外したシナリオはなかなか使いづらいと思う。
しかしハリウッド以外の、日本や他の国の映画の中には、
ハリウッド流とは違うやり方でヒットを飛ばし、
名作として語り継がれるものもある。

この本の通りにやったからといって、
必ずうまくいくかというと、そんなこともないだろう。
徹底的にマーケティングして、シナリオを練り上げ、金を掛けて宣伝しても、
外すときは外す。
しっかりとした作りにしないと観てもらえるようなものはできないけれども、
今まで誰もやらなかったようなことを思い切って入れていかないと
観るに値しないし、そもそも作る意味もない。

というわけで、アイディアは沸くんだけれども
話がまとまらない、というような人には、
本書は強力な武器になるだろう。
ただ本書を1回読んだだけで身につくようなものでもなく、
この技術を踏まえた上で映画を何本も何本も観る必要がある。


本書を読んで映画館でメモをとりたくなり、
やってみた。
真っ暗で手元が見えなくて苦労した。
家で見返してみると何が書いてあるかまったくわからなかった。
暗がりでメモをとることも含め、修行であることに気付く。

読了指数
今回:+1
合計:-62