『初秋』(ロバート・B・パーカー=著、菊地光=訳、ハヤカワ文庫)
マッチョなおっさん探偵とガリガリ少年の話。
『ストリート・キッズ』の評に「逆初秋」というのがあったが、なるほどその通り。
ただ、少年の仕上がり具合はだいぶ違う。
こういう価値観はもう古いんじゃないかと主思うんだが、
最近は逆にそうでもなくなってるのかな。
でも、ハード・ボイルドって、最近あんまり聞かないよな。
全体も各章も短くてトントン読めるのがいい。
このくらいでいいんだよなあ、全然。
読了指数
今回:+1
全体::-105
2025年3月5日水曜日
2025年2月15日土曜日
出:長い道のり
『仏陀の鏡への道』(ドン・ウィンズロウ=著、東江一紀=訳、創元推理文庫)
シリーズ第2作。
ちょっと長い。
美しい風景描写はいいんだけど、やっぱ長い。
アジアにすごく詳しいな、というのには感心したけど、
ジャッキー・チェンやブルース・リーの痛快さには及ばないというか。
あと、主人公が、弱いけどすごい探偵の腕で活躍するというのが
見所なんだと思うけど、
本作ではあんまり活躍できてなくて、
全体としてお荷物になってるんじゃないか?
若くて未熟で、おまけにやりたくて探偵やってるわけじゃない、
というキャラなのはわかるけど。
ま、次を読みたくなるほどには面白かったが。
読了指数
今回:+1
合計:-105
2024年3月25日月曜日
2024年3月17日日曜日
出:古い小説
(山田風太郎、ちくま文庫)
変な小説である。
できたばっかりの警視庁の大活躍や悪戦苦闘を描いているのかと思って読み始めたが、
むしろ警視庁に対抗する勢力に肩入れして書かれているような感じで、
どの人物に感情移入していいのかよくわからない。
筋立ても結構いい加減で適当に書いている節がある。
随所に「なにそれ?」という展開がある。
しかし、昔読んだ山田風太郎の忍者物はもっと変だった。
忍者という設定をいいことに、何でもありのバトルを描いていた。
訳が分からないのだが、なんだかぐいぐい読まされて
あっという間に読み終わってしまったのだった。
それに比べるとこの作品は読むのに時間がかかった。
読み始めてから約2年ほどかっかた。
買った時から数えれば、27年目でようやく読み終わった。
明治という時代に特別な思い入れでもなければ、なかなか大変かもしれない。
昭和に書かれた明治時代の小説を平成に買って令和に読み終わる。
何と大河な。
実はこの山田風太郎明治小説全集、全巻持っている。
どういう動機で買ったのかは覚えていないが、
目の前の本棚のちょうど目の高さの位置の棚に刺さっていて、
20年以上もずっとこっちを見ている。
あと8タイトル、12冊もある。
どうしよう。
読了指数
今回:+2
合計:-115
2023年4月2日日曜日
出:0度読んだら絶対に覚えられない
『一度読んだら絶対に忘れないに本書の教科書』(山崎圭一、SBクリエイティブ)
一度読んだのでもう絶対に忘れない。
簡単に言えば、高校の日本史の教科書の構成を見直し、年号を省き、内容を所々図解したもの。
現在、これよりわかりやすい日本史の本はなかなかないと思うので、苦手な人が日本史を知る第一歩として最適。オレもそんなに得意じゃないので、ありがたかった。
とはいえ、受験生が本書を一読kしたのみで共通テスト本番に突撃するのはさすがに厳しいので、ほかにもいろいろやるがよい。
読了指数
今回:+1
合計:-117
2023年2月9日木曜日
2021年1月24日日曜日
出:科学たるかたらざるか
『科学の方法』(中谷宇吉郎、岩波新書)
本書は1958年に第1刷が発行されており、
手元にあるのは1997年の第53刷だ。
63年前に書かれた本を24年前に買い、今、読んだ。
『夏への扉』と同じような経緯で読んだわけだが、
内容的にも似たような読書体験だった。
科学がテーマなのだが、
本書の時代は今よりずっと「科学」という言葉が
輝いていて、
夢や希望を託されていた。
それがオレの認識だ。
そんな時代の空気に冷や水を浴びせるがごとく、
本書の第1章は「科学の限界」だ。
つまりはそういう本だ。
科学は、再現可能で、測定などによって数値化できる問題には強いが、
そうでない問題にはからっきしである。
ただし、統計学を駆使することによって
科学の適用範囲は広がる。
鉄球の落下というような安定した現象だけでなく、
人の寿命というような個別には予測不能な事象も
集団を全体として統計的に扱うことにより
科学の対象にできる。
なんにせよ、科学は自然のすべてを扱えるわけではない。
本書の時代に比べれば今はだいぶ科学が進歩して、
本書中で未解決とされていた問題も
だいぶ研究が進んでいるはずだ。
それでも、本書の「何が科学の対象たり得るか」という議論は、
未だ古びていない。
──と、言いたいところだが・・・。
本書によれば、梅と桜の枝ぶりは一目見ればわかるのに、
その違いを量的に表そうとすると難しい。
「現代の」科学ではとらえきれない。
美術骨董品の艦艇なんかも、
分かる人には分かるが
誰でもわかるように数値化したりするのは困難だ。
さて、しかし。
本書で言う「現代」は今から60年前のこと。
2020年代の我々は、AIの長足の進歩を知っている。
写真から植物の名前を教えてくれるアプリがあるくらいだから、
AIにとっては梅と桜を見分けるくらいは
そんなに難しいことではないと推察する。
美術品の鑑定はそれよりはだいぶ難しいと思うが、
ブランド品の真贋の鑑定ならかなりの精度で
できるようになっているらしい。
問題は、機械学習が科学か、ということだ。
確かに数量化はされているが、AIの中身はブラックボックスで、
人間にはパラメーターの意味が分からない。
本書の議論はそういうものをまったく想定していないので
何とも言えないが、
それを科学と言ってしまうのはちょっと違う気がする。
例えば天文学では、AIは画像データを鮮明化したりするのに
使われている。
それによって観測精度が上がりはしたが、
その観測結果から理論を導くのは
未だ人間であるから、
AIが科学者に取って代わったわけではない。
なんだかんだ言って、
科学の方法が根底から覆ったわけではない。
多分そういうことだろう。
今のところは。
読了指数
今回:+1
合計:ー114
2020年8月24日月曜日
2020年8月1日土曜日
出:計画的
『十二人の手紙』(井上ひさし、中公文庫)
面白い、ということ以外、言うことができない。
どう言ってもネタバレになりそうだ。
この精密な、計画的な仕事ぶり。
膨大な下準備があったことは間違いない。
大量のメモ、下書き類が目に浮かぶ。
すべての物語作者は、
井上ひさしの仕事を真剣に学ぶべきだ。
今さらながら、惜しい人を亡くしたと思う。
もう新作が読めないということも残念だが、
ここ数年の政治状況を見ていて、
「井上ひさしが生きてたら黙ってなかっただろうな」
と思うことが多々ある。
ちょっとだけ本書の内容に触れれば、
なじみのある地名がいろいろ出てきてニヤリとする。
余計に心に刺さった。
読了指数
今回:+1
合計:-116
2020年6月29日月曜日
出:コールドスリープ
『夏への扉』(ロバート?A・ハイライン、福嶋正実・訳、ハヤカワ文庫)
本書に関する年譜を記す。
1957年 原書発行
1979年 本書(ハヤカワ文庫版翻訳書)初版発行
1997年 オレ、本書を買う
2020年 オレ、本書を読了
買ったのは1997年の夏。
なぜそこまではっきりわかるかというと、
まず奥付に「1997年7月31日 43刷」とある。
そして何よりも帯に「夏のブックパーティ'97」とある。
「江口寿史イラストの特製図書カードを600名様に!」だとか。
23年もの間本棚の奥深くで冷凍睡眠していたこの本を掘り出したというのは、
コロナ休校中であまりにヒマそうだった本好きの息子に
何か読ませる物はないかと探してのことだった。
これはちょうどいいのを見つけた、そう言えばオレもこれ読んでなかったな、と
そこら辺に置いて解凍していたら 休校が終わってしまった次第だ。
原書が書かれてから40年後に本書を買った時点では、
作中で未来として描かれている年代はまだ辛うじて未来だったが、
ようやく読んだ今となってはだいぶ過去のことになっている始末。
世の中のあまりの変わりように
本書自身が一番びっくりしているだろう。
もし子どもがいなかったら一生読まなかったかもと思うと
巡り合わせというものを感じる。
なんだか息子に読ませるタイミングを逃した感もあり
再びの冷凍睡眠に──
読了指数
今回:+1
合計:-117
2020年1月5日日曜日
入・出:新しい常識
『セイバーメトリクス入門 脱常識で野球を科学する』(蛭川皓平・著、岡田有輔・監修、水曜社)
こういう本が大好きだ。
データによって、人々が見落としている事実を発見する。主観に基づくのではなく、あくまで客観的に。
昔からそう言われているから、というだけで正しいと鵜呑みにするのではなく、正しいとも正しくないともわからない、と、いっぺんニュートラルな位置に立って、データを調べ直してみる。
そうすれば、常識にとらわれていたときにはわからなかった新たな世界が開けるかも知れない。
送りバントはして欲しくない。これは、オレが野球を見ながらここ数年ずっと思ってきたことだ。
バントなどせずブンブン振って、得点のバラツキを上げ、それによって格上のチームに勝つ。そういうことが可能なんじゃないかと思っていたのだが、本書にはそれ以上のことが書いてあった。
プロ野球において、ほとんどのケースで送りバントは得点の期待値を下げる。得点をする確率も下げる。ピッチャーなど打力の著しく劣る選手が打席に立つときを除き、単純な送りバントは愚策と言っていい。
「ほら見ろ」と言いたい。
2017年の楽天イーグルスは、開幕からしばらくの間「1番・茂木、2番・ペゲーロ、3番・ウィーラー、4番・アマダー」という打線を組んでいた。2番打者に送りバントをさせる、という従来の常識を完全に捨て去っていた。素晴らしかった。勝ちまくった。
ところが、シーズン途中に茂木とペゲーロをケガで欠くと、バントを多用するようになった。チームは転落し、優勝を逃した。バントのせいとばかりは言えないが・・・少なくとも、3割前後打つ銀次にバントをさせるのはどんなケースでも大悪手だ。
そのほかにも、「盗塁は得点を増やすのにあまり有効ではない」とか、「打たせて取るピッチングは存在しない」とか、セイバーメトリクスが明らかにしてきた様々な事柄が議論されている。野球の見方が変わる。
シストレに応用できそうな考え方もいろいろあったし、刺激的。
読了指数
今回:±0
合計:-117
2019年7月3日水曜日
出:ゲームを作るというゲーム
『ボードゲーム デザイナー ガイドブック 〜ボードゲーム デザイナーを目指す人への実践的なアドバイス』(トム・ヴェルネック【著】、小野卓也【訳】、スモール出版)
子供とよくボードゲームをする。
これまでに遊んだのは、Dixit、カルカソンヌ、カタン、パンデミックなど。スタンダードなものばかりだ。さすがに売れてる傑作ゲームだけあって、子供達の食い付きもよい。
遊びがデジタルに傾きすぎた反動なのか、アナログゲームで遊ぶ人が増えているらしい。
確かにこれは面白い世界だ。
よくできたゲームが毎年たくさん出てくる。人間がボードゲームで遊び始めてから何千年もたつのに、いまだに驚くようなアディアが出てくるのに驚く。
そんなボードゲーム業界の内情が知りたくて、そして、自分でも作れるかも、とちょっと思って、この本を手にした。
自分で作るという目論見は、すぐに打ち砕かれた。
この本の目玉は、テストプレーヤーへの質問リストと、デザイナーの自己評価リストだ。
とにかくテストプレーをして、改善していくことが強調されている。
ちょっとでもルールを変えたらテストプレー、プレーヤーの感想を参考にまた改善、ということを何度も何度も繰り返す。
ゴリゴリのゲーマーだけでなく、初心者などいろんな人を入れて試す。
プレー可能なすべての人数(2~4人なら2人、3人、4人)で試す。
こうして、面白さを追求すると同時に、デザイナーが思いもしなかった破天荒なプレーによってゲームが破綻しないかをチェックする。
気が遠くなる。
この作業自体が、終わりのないゲームのようだ。
ルールはできるだけ簡単で、その場ですぐ始められるものにする。しかも、起こりうる状況をすべて網羅している必要がある。それでいて結果が運に左右されすぎず、戦略性を持たせなければならない。
同時には達成困難ないくつもの項目に折り合いをつけていく。
そうした長い長い過程を経てもなお、最初のアイディアが輝きを失わなかったときに、傑作が生まれるんじゃないかと思う。
作る過程を趣味として楽しむならともかく、売れるゲームを作ろうなどという野望には、おいそれと手を染めるものではないな。
この本で、ひとつハッとさせられたところがある。
「チェスがもし今日発明されたとしたら、市場に出る見込みはほとんどないだろうと関係者はいう。」(p.68)
その理由は、ゲーム編集者がそのアイディアを販売員や消費者に伝えるのが難しいから。業界人同士でさえ伝えるのが難しいのなら、プレーヤー同士が教えあうのも当然難しいだろう。
それじゃあ売れない、広まらない。
チェスがダメなら、当然将棋もダメだろう。囲碁も多分ダメだろう。覚えることが世界一多い(個人の感想)麻雀なんか、もってのほかだろう。
うちの子供達にも、一応囲碁や将棋は教えたのだが、食い付きは悪かった。
いつまでたっても、何をしたらいいのかわからない、とにかくなんだかわからない、という感じなのだ。
うちの居間では親父がよくCSの麻雀番組を見ていて、それが子供達の目にも入っている。地上波の歌番組に小柳ルミ子が出てるのを見て「あ!!麻雀の人だ!!なんで歌ってんの?」というほどには見ているのだが、麻雀はまったく理解していない。見ているだけでわかるものではないようだ。オレも、あまりにめんどくさいので教えていない。
それに対して、最初に挙げたようなボードゲームは箱を開けたその日から面白い面白い言って夢中になるのだから、親としても買った甲斐があるというものだ。
遊び同士がユーザーの時間を奪い合う中で、長い歴史を誇る盤上・卓上遊技といえども伝統にあぐらをかいていたらヤバい。
プロ棋士のみなさんが熱心に普及活動を行うのも、そういう危機感があるからなんだと、この本を読んで思った次第である。
ただ、じゃあなんで、チェスや囲碁・将棋は長い年月を経ても生き残っているのか、とも思う。
100年後、今出回っている新しいボードゲームのほとんどはなくなっているだろうが、チェスや囲碁や将棋が消えるとは思えない。
なぜか?それは、現代のボードゲーム作家にこそ考えて欲しい問いである。
読了指数
今回:+1
合計:-117
2019年2月4日月曜日
出:モデルとなるべき本
『データ解析のための統計モデリング入門──一般化線形モデル・階層ベイズモデル・MCMC』(久保拓弥、岩波書店)
わかりやすいことこの上ない。
読みながら何度も「わかる!」と叫ぶ。
これには、理解しやすいという意味と、「共感」の意味がある。
「そうそう、なんでも正規分布に従うわけじゃないよね」とかそういう「わかる」だ。
モデルを、データへの当てはまりの良さだけでなく予測の良さを加味して選ぶ、
というあたり、「それそれ!」という感じだ。
あとがきによれば、時間をかけて何度も書き直したらしいが、
そのエネルギーのほとんどが「わかりやすさ」に向かったと想像する。
よーく練り込まれているな、練り込まれた結果としてわかりやすい文章に
なっているな、というのが読んでいていよーくわかる。
タイトルには「どんな虫ケラでもわかる」などとうたっていながら、
実際のところはただ情報を端折っただけでちっともわかりやすくない、
あまり練られていない本も多い。
しかし、この本はこれだけ小難しそうなタイトルでありながら、
ちゃんとわかる。
タイトルにある一般化線形モデル、階層ベイズモデル、MCMCというのが
なんなのか、ということが、章が進むごとにわかっていく。
植物の種の数という、単純なデータを解析しながら、
だんだんと複雑なモデリングを行っていき、そのたびに新たな手法を取り入れる。
なかなかのスピード感、疾走感だ。
これにはひとつからくりがあって、
難しい理屈はすべて「章末の参考文献を参照」となっているのだ。
この割り切り、この潔さが成功している。
どこまで説明すればいいのか、という判断が絶妙で、
眠くなる前にズンズン進んでくれる。
これからデータ解析を始めようという人には
大変ありがたい。
その後、もっと学びたかったら参考文献を読めばよい。
この著者が薦めるのだから、間違いないだろう。
統計モデリングのやり方はもちろん、
本の書き方についても勉強になった。
最後に注意点。
わかりやすいといっても、もちろん誰が読んでもわかるというものではない。
高校数学や確率統計の知識は前提となる。
「回帰分析」という言葉にピンと来ないならば、
ちょっと調べてから読んだほうがいいだろう。
読了指数
音階:+1
合計:-116
2018年8月17日金曜日
出:歴史のチクリ

有名なポエニ戦争の巻。
ポエニ戦争といえば、高校の世界史では、第1次、第2次、第3次、カルタゴ、ハンニバルとスキピオ、象を連れたアルプス越え、カンネーの戦いとザマの戦い、といった事項を ざーっと習ったあと、穴埋め問題などを解いて知識の定着をはかり、忘れたらまた繰り返したりしてゴリゴリとドリルしていく、というような学習をするのが一般的かと思う。
しかし、そんなんじゃハンニバルの恐ろしさもスキピオのスター性もわからない。本書のように詳しく、なんならポエニ戦争だけで普通の教科書1冊ぶんくらいの文字数を使って、たくさんのエピソードを重ね、登場人物達の気持ちなんかも交えながら、たっぷりと語ることによって、ようやく生き生きとした人物像が浮かんでくるのだ。
こういう仕事に対しては、全国の世界史教師があこがれてるんじゃないかと思う。
大概の先生は、ハンニバルのアルプス越えくらいは面白く語るサービスをしてくれると思うが、それ以上語っているといろいろ間に合わなくなるので、我慢して端折ってどんどん先に進んでるんじゃないだろうか。
オレが習った先生は我慢できない質で、面白いところは大体全部面白く語っちゃうもんだから、最終的には時間が足りなくて補講になったと記憶している。そのおかげで世界史が好きにはなったが、ゴリゴリドリルが苦手で成績は今ひとつだった。
この本は多分、一切我慢をしていない。大好きなローマ史をとことん語っている。そらあ、面白いに決まっている。
ハートに届くぶん、記憶にも残りやすい。限られた事項を、覚えるまで繰り返しドリルするほうが確かに効率的かも知れないが、それは圧倒的に苦しくつまらない。
どんなジャンルの本でも、コンパクトに要点だけが述べられたものよりも、多少冗長でも、難しいところも含めて細部まで詳しく説明してある本のほうが、結局はよく理解できることが多い。 初期の投資時間は多くかかるが、一生のスパンで考えればそっちのほうが有意義だ。
昔攻略しきれなかった世界史をいつかものにしようというあこがれはずっとあって、春頃から思い立って勉強をはじめたものの、ローマのあたりまで来たところでこの本のことを思いだし、いったんお勉強を休んでちょっと寄り道するつもりで読み始めたところ、文庫本で5冊目まで来てしまって、寄り道どころかこっちが本筋になりそうな勢いだ。
ただし、こういう本が読めているのは昔ドリルしたおかげも多分にあるようだから、お勉強にもちゃんとした意義がある。大体広く浅く、ところにより限りなく深く、でよいだろう。
それで、これまでに学んだことからひとつ気付いたのは、軍事的な天才は晩年がけっこう惨めだ、ということだ。ハンニバルもスキピオも、その輝かしい戦歴に比べれば、最期は寂しい。『項羽と劉邦』の韓信もいやな死に方だった。歴史を読んでいてチクリとするところである。
読了指数
今回:+3
合計: -144
2018年7月9日月曜日
出:マジで1日にしてならず

知力や体力、経済力などで周辺民族に劣っていた古代ローマ人が、
なぜあれほどの大帝国を築くことができたのか。
それを考える書。
その前に、なぜ、一時期このシリーズを世のおじさん達がこぞって読んでいたか
ということがずっと気になっていた。
読みかけては挫折する、ということを何度か繰り返し、
買ってから16年たって、 ようやくここまで読めた。
それで気付いたのは、これは多分年齢的なことだということ。
おじさん達が読んでいたのも、少しとはいえ、オレが読み通せたのも。
これを読める年齢に、ようやく上がって来たんだと。
で、このシリーズ、買ってあるのがあと5冊ある。
全体では文庫本で43冊出ている。
気が遠くなるが、ローマ人がイタリア半島を統一するのに
500年かかったことに比べれば大した道のりではない。
読了指数
今回:+2
合計:-117
2016年11月11日金曜日
出:筋トレ

今の時代に、自分の頭と手を使って数学をやる意味とはなんなのだろうか。
しこしこと受験参考書を解く意味というのは。
突如、筋トレにハマる人がいるが、そういうのに似ている。
なんだか無性に自分を鍛えたくなるときが来る。
そういうものだ。
何を鍛えるかは人それぞれ、全身の筋肉とか、指先の技術とか。
オレの場合はたまたま、数学力であった。
そういうことなんだと解釈している。
「数学なんかやって何かの役に立つのか? 」
という、ちょっとわかってない人がいまだにたくさんいるが、
それはもう、もちろん役に立つ。
子供にやらせるなら、英語より数学だ。
学力がどうというよりも、世に出て生き抜く力として重要だ。
役に立つことはわかりきっているが、
もはやそういうことを超越して、鍛えること自体に
喜びを見いだしている。
じゃあなんで、目的がはっきりしている受験参考書なんかを
いい大人がやるのかというと、
ひとことで言えば「手に入りやすいから」だ。
割と小さめの本屋にも売っているし、
何しろ値段が安い。
入試というものがあるおかげでそうなっているわけだから、
入試様々だ。
何科目も勉強しなくてはならなくて、
しかも絶対的な〆切がある受験生向け、という性質は、
いろいろとやることがある大人にもありがたい。
「入試に出るかどうか」という観点がやや邪魔になることが
ままあるにしても。
読了指数
今回:+1
合計: -107
2016年6月20日月曜日
出:Can Pass
![日本統計学会公式認定 統計検定 2級 公式問題集[2013〜2015年] 日本統計学会公式認定 統計検定 2級 公式問題集[2013〜2015年]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51PGSetFISL._SL160_.jpg)
これらの過去問をすべてやったので、合格しなければおかしいのだ。
統計学の知識はともかく、5択力は向上したと思う。
読了指数
今回:+2
合計:-104
2016年5月10日火曜日
出:ヤバい人向け

心理学は、統計学にかなり依存している。
心理学が説得力を持つのは、統計学の裏付けがあるからだ。
人の心の働きというつかみ所のないものを
きっちり数量化できるようになったことによって、
心理学がメジャーな学問になれたのだとオレは思っている。
今でこそそういうことがわかっているのだが、
心理学を志した学生時代はそうじゃなかった。
心理学に関する、数字を抜きにしたおもしろ話というは
世の中にいっぱいあって、
そういうものに触れて、面白そうだからやってみようと思ったものの、
大学に入ってみれば、心理学というのは
実験をして統計解析をする、というこのと繰り返しであることが
わかったのだ。
「それは聞いてなかった」となるわけだ。
オレだけでなく、周りの学生もそんな感じだった。
今でも、多かれ少なかれそうなんじゃないだろうか。
心理学専攻はどういうわけだか文学部にあったりして、
「統計学ヤバい」という心理学専攻生が
大量に生み出されることになった。
そういう事情の元、本書が書かれた。
微分積分もΣ記号も出てこない。
それでいて、日常のレポート作成には困らない程度には
統計学の知識を身につけることができる。
説明は非常にゆっくり丁寧で、これでもかというほど親切だ。
もしこれが理解できないならば、心理学はあきらめたほうがいい。
そう言っていいくらい、究極的に理解しやすい本だ。
「ヤバい、助けて!」という学生の緊急避難先として
十分に機能するだろうし、
この春入学した心理学を志す学生が
最初に読む本としてもお勧めだ。
そして、
「心理学をやるわけではないが、
とにかく統計学が必要で、
でも全然わからない」
という社会人が読んでも決して損はない。
あの学生時代から、倍以上も歳を取った。
回り回って株のシステムトレードをやるようになって、
統計学の必要性を感じるようになって早幾とせ。
ようやく去年あたりから勉強しはじめた。
金絡みのぶん、今のほうがモチベーションは高い。
最終的には、独自の統計手法を編み出す
くらいになりたい。
ちなみに、「年齢」というのは
量的データの比率尺度だから「倍」という計算ができる。
「時刻」や「日付」や「西暦」だと、
間隔尺度だから、ふたつのデータの間がどのくらい
あいているか、ということは言えるが
「倍」という表現には意味がない。
というようなことは、本書のはじめのほうを読めばわかる。
読了指数
今回:+1
合計:-104
2015年11月5日木曜日
出:必要だが十分ではない

過去問が8回分載った問題集。
オレはこれを使って、
きっちり時間を計って本番さながらにシミュレーションをした。
最後の何回かは、開始時刻・終了時刻も本番と同じにした。
さすがに8回もやれば、練習は十分だろう。
本番では、時間配分や2次の問題選択などを
うまくやることができた。
ただし、本書だけで出題範囲がすべてカバーされているわけではないことには
注意を要する。
11月1日の検定では、1次試験に極座標が出題された。
本書にはまったく載っていなかったジャンルだ。
どうせ出ないと思って復習して行かなかったオレは
まんまとヤラレた。
最後の仕上げとして、
本番のための度胸をつけたり作戦を考えたりするのには
最適の本だが、
その前に高校生向けの参考書などで
一通りのことはできるようになっているのが望ましい。
そして、なんぼ過去問をやっても、
本番ではまったく見たことのない問題が必ず出ると思っていたほうがいい。
それが数検だ。
読了指数
今回:+1
合計:-100
2015年9月10日木曜日
出:「師」

逆張りといったらコナーズだ。
もはや“師”だ。
コナーズの他の本もそうだが、何しろルールが明確なのがいい。
トレード本では、ルールの細部についてはぼかしているものもあるが、
コナーズ本ではそういうことがない。
パラメーターも含めて完全にオープンだ。
だから、読者は即座にプログラム可能で、検証可能だ。
7割8割当たり前の、驚異的な勝率のシステムが並ぶ。
「どうせ、アメリカ市場では通用するけど、日本じゃダメなんでしょ」
と思うかも知れないが、
いくつか検証してみた結果、
日本市場でも十分機能しそうだ。
ただし、まったくこのまま日本で使えるか、というと、
そうとも言い切れない。
日米の市場の違いについて注意が必要だ。
例えば本書にはETFを取引対象とするシステムが出てくるが、
日本市場では流動性が十分なETFの銘柄が少ないので
ETFのみでトレードするのは難しそうだ。
とはいえ、考え方としては幅広く応用可能だと思うので、
自分の取引市場や好みに合わせて調整をすればよい。
わかりやすさからいっても、システムのネタ本としては
最上の部類に入るだろう。
使いこなせるかどうかは最終的にはトレーダー自身の腕によるわけだが。
読了指数
今回:+1
合計:-94



![日本統計学会公式認定 統計検定 2級 公式問題集[2011〜2013年] 日本統計学会公式認定 統計検定 2級 公式問題集[2011〜2013年]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51i1kTzEhwL._SL160_.jpg)