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2011年7月18日月曜日

出:勝負あり


原発のウソ (扶桑社新書)
原発のウソ』(小出裕章、扶桑社新書)

原発はウソだらけだ。
そのウソの数々を静かに暴いていく。
大変にわかりやすい文章で、すぐに読める。

この期に及んでも原発を守ろうとする人達に、
このわかりやすさ、説得力があるだろうか。
目の届く範囲で、そんな人は一人もいない。

この本は、原発推進派が脱原発陣営に突きつける問題に
だいたい全部答えている。

逆に脱原発派が問う疑問のすべてに
答えられる 推進派はいない。
例えば、溜まり続ける核のゴミ、死の灰をどうするのか。
福島第一原発をどうやって収束させるのか、という問題だって、
ちゃんと答えが出ていない。

すでにベストセラーの本書だが、
これ以上原発にだまされたくないすべての人に
一読をお勧めしたい。

しかしこういう本をみんなが読んでいる国に
なってしまったことにやるせなさが募る。

読了指数
今回:+1
合計:-48

2011年7月13日水曜日

入:偉い人たち

原発のウソ(小出裕章、扶桑社新書)

河北新報は偉い。
震災の翌朝も、ちゃんと新聞が来た。
震災当日でさえ、あの揺れの直後にもかかわらず夕刊が配られた。
もちろん地震のことは載っていなかったが。

そんな偉い河北新報が、
坂本タクマとゆかりのある出版社から縮刷版を出したとなれば
これは買いの一手だ。


小出裕章も偉い。
原子力学界の中にいて、40年間も原発の危険性を訴えてきた。
「不屈の精神」とか言われる人のほとんどは、
この人の不屈に負ける。

読了指数
今回:-2
合計:-51

2011年6月14日火曜日

出:思いは届かず


原発事故はなぜくりかえすのか (岩波新書)
原発事故はなぜくりかえすのか』(高木仁三郎、岩波新書)

流行りの「なぜ本」の走りか。
そんな軽い位置づけで済ませていい本ではない。

原子力に携わる技術者達の無思想ぶりを批判する。
国が作ったシステムで安全を確保するという発想ではなく、
現場の人間一人一人が安全意識を持つ、真の安全文化が必要と言う。

著者は、原子力最後の日を見届けることなく、この本を最後のメッセージとして亡くなった。
それを残念がっていたようだが、さて、生きてこの福島の原発事故を見たなら
どう思っただろう。


やはり人間に原子力を使いこなすのは無理だ。
特に、立地的にも精神的にも日本人には無理だ。

この期に及んでもマスコミで原発推進の発言を繰り返す輩がいる。
主に年寄りだ。
判断力が弱っているのか、考えに柔軟性がなくなっているのか、
何なのかはわからない。
原発が爆発しようがしまいがどうせもうすぐ死ぬ彼らが
そういうことを言うのはちょっと無責任じゃないのか。
というようなことを、電気なしには誰にも伝えられないオレが言うのもまた
無責任なのではあるが。

読了指数
今回:+1
合計:-49

2011年5月22日日曜日

出:敗因


FUKUSHIMA 福島原発メルトダウン (朝日新書)
FUKUSHIMA 福島原発メルトダウン (朝日新書)』(広瀬隆、朝日新書)

 大体は『原子炉時限爆弾の中身を踏襲している。
福島第一の事故を受け、「ほれ見たことか」という内容が付け加えられている。

その中で、M9.0という発表は原発事故を「しょうがないもの」と見せるための
でっち上げだ、という憶測が書かれているが、
これはいただけない。
広瀬さん、やっちゃった。
これでわかった、こういうことを書くから信用されないのだと。

東電や政府がデータを隠すから信用できないというが、
反原発の側も似たようなことをやってるんじゃないのかという
疑いすら出かねない。

これまでの反対派も、これから反対派になる人も、
福島の事故を防ぎきれなかったことの「敗因」を分析していくことになるだろう。


ともあれ今願うのは、
自分や家族が福島第一原発から出た放射性物質を
ひとかけらも体内に取り込まないことだが、
すでに取り込んでしまっているのかも知れない。
原発周辺の方々のリスクはどれほどのものか。

読了指数
今回:+1
合計:-52

2011年5月19日木曜日

入:飢餓感


FUKUSHIMA 福島原発メルトダウン』(広瀬隆、朝日新書)
原発事故はなぜくりかえすのか(高木仁三郎、岩波新書)
大地動乱の時代―地震学者は警告する(石橋克彦、岩波新書)

 地震と原発について知りたい。
新聞は読んでいるが、なかなかお腹いっぱいにならない。
図書館に物色に行ったが、めぼしいものはみな貸し出し中だった。

というわけで3冊ほど買った。
このくらいで食い飽きるとは思えないが、
あまりのめり込みすぎるとおかしくなってきそうなのでほどほどにしておく。

読了指数
今回:-3
合計:-53

2011年5月16日月曜日

出:勝者などいない


原子炉時限爆弾
原子炉時限爆弾』(広瀬隆、ダイヤモンド社)

広瀬隆は、勝ったのだ。

広瀬隆について坂本タクマは、
「長年原発に文句を言ってるけどあんまり相手にされていない変なオッサン」
くらいの認識しかなかった。
あんな本を読んでいるのは危ないやつだとさえ思っていた。
しかし。

広瀬隆は、勝ったのだ。

相場の世界にも、常に大崩落を警告している人がいて、
それは時たま当たるのだ。
だって、相場に大崩落はつきものだから。

まさか日本の原発で、そんな大崩落が起きるとは。
こんなに危険なものだったなんて、知らなかった、知らされていなかった。
恥ずかしいやら腹立たしいやら。

その程度の知識であるから、
この本が、福島の事故のまさに直前と言っていい2010年8月に刊行されていたことに
度肝を抜かれた。
わかっている人、ちゃんと調べている人には、
十分に予想できた惨事だということか。
地震国日本の原発には様々なリスクが存在し、
人間ごときには制御不能だと。

しかも、本書で最も危険性を強調している浜岡原発は、
首相の判断に従って停止された。
これもまた、大戦果だ。


だが、広瀬隆はまったく勝ったとは思っていないだろう。
福島のような事故を防ぐことが最大の目標だったわけだから。
原発反対派の人達すべてに敗北感があるだろうし、
本当の戦いはこれからだと思っているだろう。
最終的には勝つも負けるもない。


本書のような扇情的な書き方は、
今読めばかなりの説得力があるが、
福島以前にどれほど人の心に届いたかは疑問だ。
煽れば煽るほどスーッと冷めていく。

しかしどうやれば平和に浸りきった我々に
迫り来る惨禍を伝えることができただろう。
我々は、いっぺん思い知るしかなかったのだろうか。

なにしろもう二度とごめんだ。

読了指数
今回:+1
合計:-50

2011年5月8日日曜日

入:予言の書


原子炉時限爆弾(広瀬隆、ダイヤモンド社)
SP 警視庁警備部警護課第四係(金城一紀、角川文庫)

原発事故後、様々な「予言」が発見されているが、『原子炉時限爆弾』もそのひとつ。

『SP』は、映画が素晴らしい出来だったので。

読了指数
今回:-2
合計:-51