2020年8月24日月曜日

出:あとがきと解説と


マイナス・ゼロ』(広瀬正、集英社文庫)

これもまた、ネタバレに気を使う作品。
夏への扉』の関連書籍、と言ってしまっていいかどうか。

大変なことが起きているのにどこかのんきな感じがする。
そんな味わい。
昭和の描写が素晴らしい。
オレから言えるのは以上だ。

作者自身のあとがきと星新一の解説が参考になる。
ネタバレせずに面白さを伝える方法として。
真似できるかといえば、特に星新一のほうは無理だが。
どんな手法かは、これもまた
ネタバレになるので言えないが。

読了指数
今回:+1
合計:-115

2020年8月1日土曜日

出:計画的






十二人の手紙』(井上ひさし、中公文庫)


面白い、ということ以外、言うことができない。
どう言ってもネタバレになりそうだ。

この精密な、計画的な仕事ぶり。
膨大な下準備があったことは間違いない。
大量のメモ、下書き類が目に浮かぶ。
すべての物語作者は、
井上ひさしの仕事を真剣に学ぶべきだ。

今さらながら、惜しい人を亡くしたと思う。
もう新作が読めないということも残念だが、
ここ数年の政治状況を見ていて、
「井上ひさしが生きてたら黙ってなかっただろうな」
と思うことが多々ある。

ちょっとだけ本書の内容に触れれば、
なじみのある地名がいろいろ出てきてニヤリとする。
余計に心に刺さった。

読了指数
今回:+1
合計:-116