(山田風太郎、ちくま文庫)
変な小説である。
できたばっかりの警視庁の大活躍や悪戦苦闘を描いているのかと思って読み始めたが、
むしろ警視庁に対抗する勢力に肩入れして書かれているような感じで、
どの人物に感情移入していいのかよくわからない。
筋立ても結構いい加減で適当に書いている節がある。
随所に「なにそれ?」という展開がある。
しかし、昔読んだ山田風太郎の忍者物はもっと変だった。
忍者という設定をいいことに、何でもありのバトルを描いていた。
訳が分からないのだが、なんだかぐいぐい読まされて
あっという間に読み終わってしまったのだった。
それに比べるとこの作品は読むのに時間がかかった。
読み始めてから約2年ほどかっかた。
買った時から数えれば、27年目でようやく読み終わった。
明治という時代に特別な思い入れでもなければ、なかなか大変かもしれない。
昭和に書かれた明治時代の小説を平成に買って令和に読み終わる。
何と大河な。
実はこの山田風太郎明治小説全集、全巻持っている。
どういう動機で買ったのかは覚えていないが、
目の前の本棚のちょうど目の高さの位置の棚に刺さっていて、
20年以上もずっとこっちを見ている。
あと8タイトル、12冊もある。
どうしよう。
読了指数
今回:+2
合計:-115