2011年6月14日火曜日

出:思いは届かず


原発事故はなぜくりかえすのか (岩波新書)
原発事故はなぜくりかえすのか』(高木仁三郎、岩波新書)

流行りの「なぜ本」の走りか。
そんな軽い位置づけで済ませていい本ではない。

原子力に携わる技術者達の無思想ぶりを批判する。
国が作ったシステムで安全を確保するという発想ではなく、
現場の人間一人一人が安全意識を持つ、真の安全文化が必要と言う。

著者は、原子力最後の日を見届けることなく、この本を最後のメッセージとして亡くなった。
それを残念がっていたようだが、さて、生きてこの福島の原発事故を見たなら
どう思っただろう。


やはり人間に原子力を使いこなすのは無理だ。
特に、立地的にも精神的にも日本人には無理だ。

この期に及んでもマスコミで原発推進の発言を繰り返す輩がいる。
主に年寄りだ。
判断力が弱っているのか、考えに柔軟性がなくなっているのか、
何なのかはわからない。
原発が爆発しようがしまいがどうせもうすぐ死ぬ彼らが
そういうことを言うのはちょっと無責任じゃないのか。
というようなことを、電気なしには誰にも伝えられないオレが言うのもまた
無責任なのではあるが。

読了指数
今回:+1
合計:-49