2011年6月26日日曜日

出:それとわかれ


基礎数学力トレーニング―Nの数学プロジェクト
基礎数学力トレーニング―Nの数学プロジェクト』(根上生也、中本敦浩、日本評論社)

スポーツでいうところの基礎体力にあたるものが数学にもある。
その「基礎数学力」を鍛えよう、というのが本書の趣旨だ。
それは計算力みたいなものではなく、「見てそれとわかる」力だ。
公式を暗記して適用する受験数学ではなく、「だいたいわかり」の数学だ。

なんだか、悪名高いゆとり教育っぽい。
だが、それこそが真の数学力を養う道だというのだから、
ゆとり教育は理想の教育でもあったのだろう。
円周率、ときには3で十分だ。


基礎体力については、走ることによって走力や持久力が、
筋トレによって筋力がつくというふうにわかりやすい。
だが、数学基礎力は・・・
この本を読み終われば多少基礎数学力がついたような気がするが、
それが何なのかはまだよくわからない。
基礎であるからには継続が大事なはずだが、本書のあと、どこに向かえば
継続的に基礎数学力を鍛えられるのか。
離散数学の中に、そういう問題が多い、とは示唆されているが・・・

何はともあれ、子供を数学嫌いにしないためのヒントが詰まった本であり、
末永く参考にしていくことになるだろう。

読了指数
今回:+1
合計:-48