2012年10月26日金曜日

出:読み込みの精度


死神の精度 (文春文庫)
死神の精度 』(伊坂幸太郎、文春文庫)

半分読んだところでほっておいた。
奥付から推測すると、4年くらいはほっておいたようだ。

その間にいろいろなことがあった。
震災もあった。
そのときにこの本もどこかに行った。
最近また出てきたので、残りを読んだ。

伊坂幸太郎はこの本が初めてだが、
4年間の中断の間に朝日新聞ではじまった『ガソリン生活』は読んでいる。
新聞小説は他にも、
朝日の筒井康隆と河北新報の宮部みゆきを読んでいる。
昔は連載小説を読むのが苦手だったが、
この数年で習慣づいた。
ここの更新は緩慢であるが、
そこそこものは読んでいるのだ。
電子書籍もあるし。

何の話だったか。
死神の精度、か。
この主人公の死神、『ガソリン生活』の車にちょっと似ている。
死神と車が似ているというのも変な感じだが、
それぞれ「死神から見た人間社会」と
「車から見た人間社会」を描いているという点で、
大ざっぱにくくれば同じ手法が用いられている。
どちらも、微妙にして絶妙なとんちんかんぶりが
ラブリーである。

この『死神の精度』は短編集だ。
短編集は読み通すのが難しい。
すぐに切りのいいところに来てしまうので、
そこでいったん置いといて、
別の本を読み始めたり違う遊びに熱中したり
地震が来たりしている間に
4、5年たっていることはザラにある。

何かいろいろ仕掛けがあって、
前のほうに出てきた人物が
あとのほうで意外な形で再登場する、というようなことが
あるらしいのだが、
何しろ4年の断絶があるためにその辺はよくわからなかった。

それはそれで別にいい。
悔しくはない。
むしろ勝った気がする。

読了指数
今回:+1
合計:-60