2012年10月19日金曜日

入:図鑑かよ


Creative Illustration(Andrew Loomis, Titan Books)

デカい本だ。
図鑑かと思った。

こんな立派なカラーページもある本が、3000円未満で買えた。
個人的には円高はいつまででも続いて欲しい。

古い本ではあるが再版らしく、予約して買ったのだが、そうするとお楽しみの
「発売日までの間で最も安い値段」で買えるという特典がつく。
これがある限り洋書買いはやめられない。

カバーには、「値段の何倍もの価値がある」とか書いてある。
投資本かよ。
鵜呑みにしちゃうぞ。
稼いじゃうぞ。

読了指数
今回:-1
合計:-63

2012年9月30日日曜日

出:暗闇での修行に


ハリウッド・リライティング・バイブル (夢を語る技術シリーズ)
ハリウッド・リライティング・バイブル』(リンダ・シガー、田中裕之・訳、フィルム&メディア研究所・監訳、愛育社)

技術を一からたたき直している。
だいぶ前に買ったこの本をようやく読む。

この本はハリウッド流のシナリオライティング、リライティングの技術書だが、
「お話」で食べていこうとするすべての人に参考になる情報が詰まっている。

ヒットした映画というのは、ほぼ、本書に書いてあるような構成になっているらしい。
確かに、最近観た何本かでは、そうなっていた。
ハリウッド映画、どれ観てもなんか同じ感じがする、というのもその辺りに原因があるのだろう。
ただ、こlこから大きく外れている映画は、どうも面白くない、しっくり来ない、心に残らない、
というふうに感じてしまうのも確かだ。

本書のセオリーから完全に外れて大ヒットをとるのは難しいだろう。
制作者側としては、ここを外したシナリオはなかなか使いづらいと思う。
しかしハリウッド以外の、日本や他の国の映画の中には、
ハリウッド流とは違うやり方でヒットを飛ばし、
名作として語り継がれるものもある。

この本の通りにやったからといって、
必ずうまくいくかというと、そんなこともないだろう。
徹底的にマーケティングして、シナリオを練り上げ、金を掛けて宣伝しても、
外すときは外す。
しっかりとした作りにしないと観てもらえるようなものはできないけれども、
今まで誰もやらなかったようなことを思い切って入れていかないと
観るに値しないし、そもそも作る意味もない。

というわけで、アイディアは沸くんだけれども
話がまとまらない、というような人には、
本書は強力な武器になるだろう。
ただ本書を1回読んだだけで身につくようなものでもなく、
この技術を踏まえた上で映画を何本も何本も観る必要がある。


本書を読んで映画館でメモをとりたくなり、
やってみた。
真っ暗で手元が見えなくて苦労した。
家で見返してみると何が書いてあるかまったくわからなかった。
暗がりでメモをとることも含め、修行であることに気付く。

読了指数
今回:+1
合計:-62

2012年8月31日金曜日

出:ぬることと生きること


とっておきぬりかべ
とっておきぬりかべ』(ニコリ)

ぬるのだ。
ぬってぬってぬりまくるのだ。

このパズルの面白いところは、「部分と全体」に気を配ることだ。
様々な手筋を駆使して盤面のあっちこっちからぬっていくのだが、
最終的に全体がつながっていなければならない。
その制約が新たな手筋を産む。
ある部分を埋めるとき、そこだけ見ていてはダメで、
遠くのほうで起こった出来事がカギになっていたりする。
脳と手だけでなく、目も激しく動かさなくてはならない。
かなりいいトレーニングになる。

本書、最初は手頃な問題からはじまって
だんだんと難しくなり、
最後の数問は本当にキツかった。
しかしそこを乗り越えて全問制覇したときには
世の中を見下ろす高みに登った気分になれる。

いちいち真っ黒にぬりつぶしていたのでは
時間がかかってしょうがないので、
途中からはぬりつぶす代わりに×印で埋めるようにしたら
だいぶスピードアップした。
最後に×を直線で繋いで全体のつながりを
確かめる作業がまた快感だ。


勉強しないでパズルばっかり解いていた高校生が、
勉強しだしたらいきなり成績が上がって
東大に受かった、というような話もある。
極言すれば、人間はなんにもしないでパズルばかり解いていればいい。

読了指数
今回:+1
合計:-63

2012年8月21日火曜日

出:健全な肉体


触ってわかる美術解剖学
触ってわかる美術解剖学』(アンソニー・アベソス著、カール・スティーブンス画、榊原直樹・訳、マール社)

体をしっかり表現したいアーティスト向けの美術解剖学の本。

情報量は抑えめで、入門に適している。

最大の特長は、自分自身の体を教材とし、触りながら学んでいくこと。
なるほど、視覚だけの学習よりも理解や記憶が進む。
いままでどうしてもつまずきがちだった解剖学にも、すーっと入っていけた。

ただ、ひとつ問題が。
適切に学習を進めるためには、肉体にある程度の健康美を備えていなければならない。
例えばオレは、自分の腹筋がどうなっているのか、見ても触ってもわからない。
「ここにこういう筋肉の盛り上がりがある」とか言われても、
ぼんやりした体型のためよくわからないことがしばしばだ。
中年の学習者の多くが、同じような体験をするだろう。
健康美を備えた肉体の持ち主が常にそばにいて触り放題、というような
官能的な環境にでもいない限り。

子供を風呂に入れるときに、
体をじろじろ見たり、骨の出っ張りに触ってみたり、ということは
もちろんやったけれども。

読了指数
今回:+1
合計-64
 

2012年7月12日木曜日

出:ドローイング・マラソン


The Natural Way to Draw: A Working Plan for Art Study
The Natural Way to Draw』(Kimon Nicolaides・著、Houghton Mifflin)

名著だ。

表紙には、
「ドローイングのhow-to本として最高なだけでなく、
あらゆる分野をひっくるめても最高のhow-to本」
とか書いてある。

漫画の描き方から株取引の方法まで、
人生で重要なことはほとんどhow-to本で学んできた。
how-to本はたくさん読んだが、この本は他のどれとも違っている。

なにしろ「教えすぎない」ことに重点が置かれている。
必ず前から順番に読み、
言われた通りの練習をいやいやでも何でも四の五の言わずにとにかくやり、
やり終わるまでは次のところを読むな、
というふうに言い渡される。

上のような性質の本であるから詳しいことは言えないのだが、
とにかく言われた通りにやってみた。

まったくやったことも聞いたこともないような練習を次から次へとやらされ、
何だこれは、何の役に立つんだ、とか思っていると、
しばらく進んでから「こういう意味だったのか」とわかる、という感じ。

全然使ったことのない画材、日本ではほとんど手に入らない画材などを次から次へと
用意しなければならない。
近所のイオンの文具売り場やダイソーに日参し、
なるべく安い画材を求め、
よくわからない画材の代替品を探す。

こういったことに、オレはハマった。
ある種の冒険がそこにはあった。
そうして夢中になっているうちに、
とうとう最後まで来てしまった。

なんだか最近絵ばっかり描いている、
しかもわけのわからない絵だ、といって、
家族には不気味がられた。
金も結構かかる。
そして何と言っても時間を食う。

そういった諸々のことを考え合わせると、
子供が今より小さくても大きくてもやりづらかっただろうし、
懐具合や暇さ加減などからも、
オレの人生の中で今をおいて他に
本書を完走できるときはなかったであろう。

本書は、何らかの都合で美術学校に行けなかった人に
学校のような教えを授ける、というコンセプトで書かれているらしいのだが、
やってみて思ったのは、
「学校に行くほうが楽」
ということだ。

画材をいちいち自分で買いに行ったりするのは大変だが、
学校なら必要な画材を必要なだけそろえてくれる。
プロのモデルを自宅に呼ぶ、みたいなスカしたマネは
個人にはなかなかできないが、
学校ではモデル描き放題だ。
今さらながら、行けるもんなら絵の学校に行きたかった、と思うのだった。

とはいえ、画材そろえもゲームの一部として楽しめたし、
モデルは雇えなくても、
家に大量にあって最近まったく開いてなかったポーズ集を活用できたし、
満足のいく体験ではあった。

さて、最後まで読みはしたものの、
やることはまだまだある。
絵は一生かけてやるものであって、
修了したりやめたりするものではない。
たかだか数百時間基礎的な訓練をしたところで、
完成するようなものでもない。

なお、本書には、人間の体はこうなっているとか、
線はどう描くとか、そういう情報はほとんどない。
そういったことは、自分で、失敗したり間違ったりしながら
身につけていくものだ、という考え方なのだろう。
赤ん坊が言葉を覚える過程のようであり、
それこそが"natural way"なのだ。

本書は翻訳もされている。
デッサンの道しるべ』という、まさにぴったりのタイトルだ。
残念ながら出版元が潰れてしまったらしく、
手に入りづらい状況になりつつあるようだ。
惜しいことである。

読了指数
今回:+1
合計:-65

2012年7月9日月曜日

入:オレのことか


まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか





2012年6月15日金曜日

入・船出


パニック7設定判別塾不問塾(ガイドワークス)

記念すべきGWコミックス第1号、らしい。
新たな船出を祝福する意味でも、是非。

読了指数
今回:-1
合計:-65<

2012年5月16日水曜日

入:二日酔い


とっておきぬりかべ(ニコリ)

日本は何大国かと問われたら、もはやパズル大国としか答えようがない。

パズル雑誌の多さには圧倒される。
震災直後、雑誌の入荷が途絶えたとき、再開間もない書店のパズル雑誌コーナーからは、あらかた商品が消えていた。
堅実な需要があるという証拠だ。
娯楽施設がほとんど休みの中、退屈しのぎとしてパズルを解く人が相当数いたということだ。

オレの場合は、パズルは退屈しのぎではなくて、時々強く脳が欲するものだ。
欲するからには必要なんだろうと思ってとるようにしている。

ただ、これにはなかなかの毒があって、相当な時間をつぶしてしまう。
気がついたら脳と体がへろへろになるまで没頭してしまっていて、やることが溜まりに溜まっていたりして激しく後悔する。
翌朝寝坊して業務に支障を来す。
酒を飲み過ぎたあとのようだ。
飲みすぎたことなどないが。


本当は「へやわけ」が好きなのだが、不人気なのか書店に売っていない。
しょうがないから、似たような味わいの「ぬりかべ」にする。
これはこれでいい。
部分と全体を見ながら解き進める感覚がクセになる。

読了指数
今回:-1
合計:-64

2012年4月20日金曜日

入:重箱


ロイヤル英文法(綿貫陽、宮川幸久、須貝猛敏、高松尚弘・著、マーク・ピーターセン・英文校閲、旺文社)
ロイヤル英文法問題集(池上博・著、綿貫陽・監修、旺文社)

洋書を読むスピードを上げるため、英文法の忘れている部分を補強する。
そのために2冊加え、時間も費やす。
果たして投資に見合うリターンは得られるか。

何十年かぶりで文法書なるものを手に取ったが、相変わらず、重箱の隅を突きまくっている。
本自体も、重箱のような厚みだ。
重箱以上にそこら中隅だらけだ。

問題集をちょっとやってみたが、思った以上に忘れている。
SVOOだのSVOCだの、ほんとはどうでもいい。
そんなこといちいち意識してたら間に合わないし。
文法など不要だ、ということを認識するだけに終わっても、またよし。

読了指数
今回:-2
合計:-63

2012年4月8日日曜日

入:今度こそ攻略なるか


9割の腰痛は自分で治せる(坂戸孝志、中経の文庫)

ダイエット本は非常に多いが、腰痛本もまた多い。
腰は人間の最大の弱点であるから、それも当然か。

 ただし、ダイエットは要するにカロリーの出入りというわかりやすいあるのだが、
腰痛はそれよりは複雑だ。
オカルトの入り込む余地がある。

前に読んだ「マッケンジー法」とやらは、結局続かなかった。
これはどうだろうか。

読了指数
今回: -1
合計: -61