2012年8月21日火曜日

出:健全な肉体


触ってわかる美術解剖学
触ってわかる美術解剖学』(アンソニー・アベソス著、カール・スティーブンス画、榊原直樹・訳、マール社)

体をしっかり表現したいアーティスト向けの美術解剖学の本。

情報量は抑えめで、入門に適している。

最大の特長は、自分自身の体を教材とし、触りながら学んでいくこと。
なるほど、視覚だけの学習よりも理解や記憶が進む。
いままでどうしてもつまずきがちだった解剖学にも、すーっと入っていけた。

ただ、ひとつ問題が。
適切に学習を進めるためには、肉体にある程度の健康美を備えていなければならない。
例えばオレは、自分の腹筋がどうなっているのか、見ても触ってもわからない。
「ここにこういう筋肉の盛り上がりがある」とか言われても、
ぼんやりした体型のためよくわからないことがしばしばだ。
中年の学習者の多くが、同じような体験をするだろう。
健康美を備えた肉体の持ち主が常にそばにいて触り放題、というような
官能的な環境にでもいない限り。

子供を風呂に入れるときに、
体をじろじろ見たり、骨の出っ張りに触ってみたり、ということは
もちろんやったけれども。

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