2015年12月14日月曜日

出:Ronin


合格る計算数学Ⅲ・C (シグマベスト)
合格る計算数学Ⅲ・C』(広瀬和之、文英堂)

合格る計算 数学III (シグマベスト)
合格る計算 数学III』(広瀬和之、文英堂)

数検浪人中のオレだ。
今となっては、『合格る』の文字が物悲しい。
いや、すべては、やり残しがだいぶある状態で
実戦に臨んだオレが悪いのだ。

これほどまでに「受からせる気満々」の本には、
オレが高校生のころには出会わなかった。

とにかく至れり尽くせりだ。
『計算』というタイトルだが、
計算だけでなく、図形的に処理したほうが
はやく解けるものについては図形的なやり方が書いてある。
公式の覚え方とか、どれを覚えてどれは覚えなくていいとか、
もし忘れたらどうやって思い出すか、なんてことまで載っている。

そしてなんと言っても出色なのが、
「積分練習カード」だ。
これが欲しくて本書を買ったと言ってもいい。
本書に載っているすべての積分計算の問題が、
単語カードの形になってついている。
これを切り離してリングで閉じ、
出掛けるときに持ち歩いたりして
空き時間にぱらぱらめくり、解き方を思い出す、
という練習を数周やったところ、
あんなに苦手だった積分に自信が持てるようになった。
数検レベルの計算問題なら、
まず間違えることはないくらいに。

ところで、『数学III・C』と『数学III 』という、タイトルも中身も
非常によく似た2冊があるのだが、
これらは旧課程版と新課程版だ。
旧課程版の行列・一次変換が新課程版では複素数平面に変わっていて、
新課程版には積分に2項目追加されているほかは、
中身はほぼ一緒だ。
最初旧課程版を買い、苦手な複素数平面のところも
この教え方で教わりたいと思って新課程版を購入した次第だ。
大人買いだ。

結果として、数検本番では、
複素数平面の問題を見事に外してしまったわけだが・・・
何事も、1回やっただけではダメで、繰り返しやって
定着させなければならないのだな・・・

ついでに言えば、本書で「使用頻度が低い」と述べられていたため
軽視していた極座標が、意表を突いて、数検本番の1次試験で出題された。
もちろん見事に外した。
案の定、その問題はその回の数検準1級の問題のうち、
1次・2次を通じて最低の正解率であった。
その結果、1次のほうが合格率が低いという
事態になった。
普通は逆らしいのだが。

極座標より積分のほうがはるかに話が複雑だが、
試験の配点は同じなのだ。
何か理不尽なものを感じないでもない。

・・・いかん。
Amazonのレビューを荒らすプロ浪人生の方のような書きぶりになってきた。
すべては大量にやり残した上、ロクに復習もせずに試験に臨んだオレの
不徳の致すところだ。

この本自体は素晴らしい参考書だ。
きちんとこなせば着実に合格点が取れるようになるだろう。
ただし、問題数はなかなか多くいので、
繰り返しやることを考えれば、
大学受験生のみなさんにはなるべく早い時期に本書に手をつけられることを
お勧めする。
12月に言うことではないか。

読了指数
今回:+2
合計:-101