2013年2月1日金曜日

出:読まずに書けるか


理科系の作文技術 (中公新書 (624))
理科系の作文技術』(木下是雄・著、中公新書)

ようやく読んだ。
今までこれを読まずに文章を書いてきた恐ろしさ。

文章で人に何かを説明しようとするすべての人が1度は読むべき書だ。

この本の説く書き方のうちのいくつかは、自分でもいつしか自然とルール化していた。
例えば「大事なことは前に出す」ということ。
これは、かなり意識してやっていないとできないことだ。
日本語の性質上、要点や結論がどうしても後ろへ後ろへいってしまいがちになる。
そうすると、重要な点になかなかたどり着かず、読んでいてイライラする文章になってしまう。

こういう日本語の性質について、本書では図を使って説明している。
なるほど、わかりやすい。
今までなんとなく感じていたことが、はじめて明快にわかった。

著者は、理科系でありながら、ものの書き方や言語についてちゃんと学んだ人だ。
少なくとも本書が書かれた時点では、日本にあまりいない存在だったのだろう。
本書がベストセラーになるのもうなずける。


理科系でなくとも、人に読まれる文章を書くけれども仕事ではない人でも、
本書に触れて文章力を向上させてみてはいかがだろうか。
そうして、ネット上の商品レビューなどに見られる、
とっちらかってなにが言いたいのかわからない文章が
少しでも改善されることを願う。
文字によるコミュニケーションは、紙メディア中心だった時代よりも
むしろ増えているくらいなのだから。

まあ、ひとのことはいい。
まずは本書の基準にもとづいて自分の書いたものを見直すところからはじめる。
 
 読了指数
今回: +1
合計: -66