2011年11月28日月曜日

入:脳の左側で描く


初めてのイラスト教室(A.ルーミス、北村孝一・訳、エルテ出版)

どうやらこのエルテ出版という会社、倒産したらしい。
先日図書館で借りて読んだ『脳の右側で描け』という本が大変いい内容だっただけに残念だ。
 全部とはいわないまでも何冊かでも引き取って、継続して販売する出版社は現れなかったのだろうか。
美術書なんて、売れてもたかが知れていそうだし、 このご時世、喜んで手を出すような物件ではないのは確かだが。
エルテ出版の本はいずれ手に入れづらくなるだろうから、すぐには読まないだろうけれども買っといた。
ほとんどの本はいずれ手に入れづらくなるのであり、それを理由に買うことが積ん読の大きな原因となっている。

出版不況の話はこのくらいにする。
『初めてのイラスト教室』というこの翻訳本のタイトルにせよ、『Successful Drawing』という原書のタイトルにせよ、なんだかちょっと違うんじゃないかという気がする。
中身は主に遠近法の話なのであって、イラストを昨日今日描き始めた人が買うと、積ん読になることはまず間違いない。
遠近法は理屈であって、数字もふんだんに出てくるから、楽しく絵を描きたいだけの人はなるべくなら避けて通りたいところだろう。
しかし理屈で片がつくのなら「感性を磨け」とかいう話よりもよっぽどわかりやすいのであって、大人の趣味としても十分成り立つのではないだろうか。
「趣味は?」「遠近法です」
かっこいいではないか。

読了指数
今回:-1
合計:-55