2010年1月25日月曜日

出:全国民の必読書

 
統計でウソをつく法―数式を使わない統計学入門 (ブルーバックス 120)』(ダレル・ハフ、高木秀玄・訳、講談社)

一番重要な学問は、確率・統計だ。
学校でももっと徹底的に教えるべきなのだが、そうはなっていないのは、国が国民をだまくらかすために思えてならない。

.この本には、統計を使った様々なウソが紹介されている。初版が1968年であり、原著はもっと前に書かれたわけだから、当然出てくる実例は古い。古くさい。しかし、未だにこの手のダマシが根絶されていないことを考えれば、本書の価値はむしろ増しているとも言える。
もっともらしい数字でごまかされないためには、まずこの本を読むことだ。『発掘あるある大事典』にだまされる前に本書を読んでいなかったことが、返す返すも悔やまれる。

例えば株式トレーダーは、本書の内容くらいは完璧に把握していなければならない。毎日大量の統計にさらされている我々は、堅固な防衛システムでもって情報の取捨選択を行っていく必要がある。
特に、自分で統計処理し、自分で分析したデータに要注意だ。我々はあたかも自分で自分をごまかすために統計を利用し、投じてはならないものに資金を投じてしまうことがよくある。自分で出した数字がうますぎると思ったら、本書を思いだし、あるいは読み返したい。

医療従事者や教師、社会科学系の学生や報道関係者、読者アンケートのことが頭から離れない漫画雑誌編集者や漫画家、その他日常的に統計に触れる人々、すなわち全国民に本書をお薦めする。

読了指数
今回:+1
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