2010年1月12日火曜日

出:デスマですか

 
ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない (バンブー・コミックス)』(黒井勇人、岸みきお、竹書房)

プログラムのテストを走らせながら読む。そういう読み方をすると感じが出る。
IT業界、システム開発の現場のデスマーチについては、様々な本が出ているし、聞いたことはあるのだが、見たことはない。体験したことはない。SE向けのメールマガジンなどで「カウンセリング」などの文字を見ることによって推し量るのみだ。現場はひどいんだろうな、と。
そういった現場の様子を垣間見せてくれるのが、この漫画だ。もっとも、実話(多分) を提供した原作者の人柄や、作画家の絵柄によって、本書はなかなか心温まる仕上がりになっている。

プログラミングというのは、他に比べるものがないほど楽しく、人を熱中させるものだが、それは〆切がなかったならばのはなし。仕事になってしまうと、人間関係を含め、ややこしいことがたくさん出てきてつらかろう。
まったく同じことが漫画業界にも言える。奇しくも、作画担当の漫画家のホームページには本作品制作のデスマーチぶりが綴られており、興味深い。
オレの体験を言えば、今まで関わったすべての出版社がブラック会社だ。はやく何とかならないものかと思うのだが、そういうブラックさにあこがれてこの業界に入った面も否定できないのであまり強く文句も言えない。

読了指数
今回:+1
合計:-12