『高く孤独な道を行け』(ドン・ウィンズロウ=著、東江一紀・訳、創元推理文庫)
シリーズ3作目。
主人公ニールの活躍が事件解決に大きく寄与している点で、前作よりはいい。
なぜかいきなり西部劇が始まる。
そこに、最強でもなんでもない主人公が放り込まれたらどうなるか。
そういう試みが面白い。
銃撃戦という身も蓋もない闘いをどう盛り上げるか。
西部劇の肝はそこだと思っているが、
まずます見事にやっているのではないだろうか。
読了指数
今回:+1
合計:-103
2025年6月6日金曜日
出:高く孤独な積みを解け
2025年5月1日木曜日
出:学びのチャンス
『Chance』(Robert B. Parker, Berkley Books)
1997年発行のペーパーバック。
とても読みやすい。
各章が短くて、一息で読める。
一息、一息、一息、と読んでいって、
50回くらい息継ぎしたら向こう岸に着いていた、というような感じ。
縦読み漫画でも読んでいるようなスピード感であった。
文法的に壊れた英語をしゃべる人がたくさん出てくる。
それでもちゃんと言っていることはわかる。
じゃあ、文法って何?
正しい英語って?
文法的に正しくあろうとして
何も言えなくなってしまうのは馬鹿馬鹿しい、
ということが学べる。
ストーリーはもちろん面白い。
"Spenser's in Vegas!" という宣伝文句だけでも、
もう読みたくなる。
読了指数
今回:+1
合計:-104
2025年3月5日水曜日
2025年3月2日日曜日
入:ルール読みの極地
『公認野球規則2025』(日本プロ野球組織/全日本野球協会=編、ベースボールマガジン社)
ルールを読むのが好きだ。
中学の時には体育の副教材のスポーツルール集を熟読していた。
アメフトにハマった時はNFLのオフィシャル・ルールブックを買った。
これhさすがに読み切れなかったが。
麻雀は、ルールを覚える過程が一番楽しかった。
そののちに、麻雀のルールをいろいろいじる漫画を掻く仕事をした。
今は、ボードゲームのルールをネットで読むのが趣味のようになっている。
さすがに実際に遊んでみないことにはそのゲームが
面白いかどうかはわからないが。
で、野球のルールはちゃんと読んだことなかったな、と思って買ってみた。
200ページ以上ある。
読みでがある。
読了指数
今回:-1
合計:-106
2025年2月15日土曜日
出:長い道のり
『仏陀の鏡への道』(ドン・ウィンズロウ=著、東江一紀=訳、創元推理文庫)
シリーズ第2作。
ちょっと長い。
美しい風景描写はいいんだけど、やっぱ長い。
アジアにすごく詳しいな、というのには感心したけど、
ジャッキー・チェンやブルース・リーの痛快さには及ばないというか。
あと、主人公が、弱いけどすごい探偵の腕で活躍するというのが
見所なんだと思うけど、
本作ではあんまり活躍できてなくて、
全体としてお荷物になってるんじゃないか?
若くて未熟で、おまけにやりたくて探偵やってるわけじゃない、
というキャラなのはわかるけど。
ま、次を読みたくなるほどには面白かったが。
読了指数
今回:+1
合計:-105
2025年1月24日金曜日
出:議論の乱れ
『日本語の乱れ』(清水義範、集英社文庫)
日本語に関する短編小説集。
『たとえて言うならば』という作品がよい。
「重要なことは、たとえ話なんかにしないで、事実そのものをよく見て理解して考察すべき」という主張には「その通り!」と言いたい。
そう言えば、この間新聞でこんな意見を読んだ。
「冤罪の可能性が少しでもある以上、死刑は廃止すべきだ、と言う人がいるが、それは論理のすり替えである。
交通事故で死亡する人が少しでもいる限り、自動車は走らせるべきではない、と言っているようなものだ」
って、早速すり替えとるやん。
この発言をしているのが弁護士だというのが何とも。
議論を生業としているような人がこうなのだから、
誰でもすぐこうなっちゃうってことだ。
オレも重々気をつけないと。
読了指数
今回:+1
合計:-106
2025年1月10日金曜日
出:大型新人(34年前)
『ストリート・キッズ』(ドン・ウィンズロウ=著、東江一紀=訳、創元推理文庫)
いやあ、すごい新人が出てきたもんだね。
30年以上前の話だが。
調べたところ、この作家は結構な大御所になっていて、
大量に本を出しているのだった。
1作目って大事だね。
読了指数
今回:+1
合計:-107
2024年12月20日金曜日
出:1冊目が異色作
『ガラスの独房』(パトリシア・ハイスミス=著、瓜生知寿子=訳、扶桑社)
主人公の状況といい職業といい、木村拓哉のドラマ『Believe─君にかける橋─』を思い起こさせたが、全然別物だった。
面白いんだけど、ちょっと思ったのとは違った。
多分だけど、あんまり売れなかったんじゃないの、これ?
帯には「巨匠の異色長編」と書いてある。
漫画や小説の世界で「異色作」というのは、「有名な作家のあんまり売れなかった作品」という意味だと思っている。
宣伝文句にはあんまり異色って書かないほうが。
いや、この作家を読むのはこれが初めてだから、もっと読んでみないと言葉通り異色なのかはわからないが。
読了指数
今回:+1
合計:-108
2024年7月17日水曜日
出:俺に積ませた本
『僕を殺した女』(北川歩実、新潮社)
この本はずっと、机の真ん前の本棚の、座る場所からちょうど真正面の位置、目の高さよりちょっと上の段にあった。
この本を買ってからこの方、背表紙のタイトルと作者名を目にしない日はなかった。
刺激的なタイトルを見ては、どんな内容だろう、はやく読みたいな、と思い続けてきたのだった。
そしてとうとう読むことができた。
衝撃を受けた。
1995年が舞台?
そんなに古いのか、この本は?それとも過去の話を書いているだけなのか?
そう思って奥付を見ると、1995年に発行された本だった。
この小説の主人公が味わったのと同じくらいの、いや、それ以上のタイムスリップ感である。
毎日見ていた本が、そんなに古かったんだから。
確かに、携帯電話なんかまったく出てこないし、「看護婦」とか言ってるし。
え、95年てそんなに古い?携帯が普及してなかったのは何となく覚えているが、「看護師」という言い方はまだ浸透してなかった?
95年ってそんなに昔か?
いや、もう29年前か。29年⁉
ようやくインターネットが普及し始めたころで、ネット通販はほぼなかった時だから、この本も当然本屋で買ったということになる。どの本屋かは全く覚えていないが。
あの頃はよく、本屋をはしごしてミステリー小説などを買い漁っていたのだ。
読めるスピードの何倍もの冊数を。
それらの本屋も、今ではほとんど残っていない。
何だろう、この喪失感は。
で、この本の内容だが、概ね上記のような雰囲気のことを主人公がグジグジと考え続ける話だ。
詳しいことは、何を書いてもネタバレになるので一切書けないのだが。
今さらネタバレしたところで、誰が困る?
読了指数
今回:+1
合計:ー109