2013年2月24日日曜日

入:身につまされる


大阪いてまえスロッター万枚くん大ミリオネア攻略(サマンサさん吉、ガイドワークス)

セカンドATMいってしもうてる回。

人ごとではない。
なんなら万枚くん以上のことをやってのけているオレだ。
涙なくしては読めないだろう。

読了指数
今回: -1
合計: -64

2013年2月21日木曜日

出:序破9


9手詰将棋: 詰みの鍛錬に最適な202問 (将棋パワーアップシリーズ)
9手詰将棋』(高橋道雄、創元社)

高橋道雄の詰将棋シリーズ。
5、7、ときて9だ。

5手、7手は比較的楽であったが、9手詰めともなるとさすがに手こずる。
しかしすべて実戦形、よくある囲いからの出題で、
難しくなりすぎないように配慮されているので、
嫌になってぶん投げるということはない。
5と7を繰り返し解いてから取りかかれば楽勝だろう。

各問に「5分で初段」などの難易度の目安が書いてある。
その難易度がヒントになる。
5分で3級ならこんなに難しい筋は使わないはず、みたいに。

難易度順ではなく、囲い別の配列になっている。
難易度順には難易度順の良さがあるが、
どうしても後ろのほうの難しい問題群のところで投げ出してしまいがちだ。
難しい問題がバラして配置してあると、「ここさえ突破すればしばらく楽」という感じで、
やる気が継続する。

そんな編集上の配慮よりも何よりも、
やはり高橋道雄の詰将棋がオレは好きなのだ。
肌が合う、というか。

作者によっては、どうにも解きづらい、とっつきづらいということもある。
そういうのは、有名かどうかとか、問題の難易度とかには関係ない。
文章や絵と同じく、 感覚の問題だ。

とはいえ、好きな問題ばかり解いていても
前に進むことはできない。
途中でぶん投げた詰将棋集が恐ろしく積み上がっている。
ひどいのになると最初の数問でギブアップしている。
高橋道雄で少しは詰将棋力が上がったと思うので、
それらも徐々にこなしていきたい。

読了指数
今回: +1
合計: -63


2013年2月19日火曜日

出:生死をわける


ペンシルパズル本154 へやわけ5
ペンシルパズル本154 へやわけ5』(ニコリ)

酒やバクチなど、溺れると身を滅ぼす元になるものはいろいろあるが、
パズルも確実にそのひとつだ。

いやあ、解いた、ハマった、死ぬかと思った。

この、へやわけというパズル、とてもよくできている。
部分に着目してジワジワ塗り進めていくうちに、全体のつながりが見えてくる。
部分的に行き詰まったように感じても、全体を俯瞰してみると手がかりが落ちていたりする。
部分と全体のバランスが絶妙だ。

しばらく考えてもまったく進まず、失敗したか、と思ったところで
1マス埋まることがわかり、そこから連鎖的にバババーッと埋まっていく。
物語がある。
「溜め」と「カタルシス」がある。

もうこの問題解いたらやめよう、やることあるし、と思っても、
なかなかやめられない。
次の問題をチラ見でもしようもんなら、
手をつけずにはいられなくなる。
どんなに難しい問題でも、一目で埋まるところが何ヶ所もある。
そこだけ埋めたらやめよう、と手を出してしまうところにワナがある。
進めるうちにつながりが見えてきて、
やがて新しい手筋を発見したりして、
あれよあれよという間に没入し、
気がついたら夜明けですよ。

柿ピーとかコイン大のせんべいのような
「ちっちゃいお菓子」のヤバさに似ている。
ちっちゃいから大丈夫、と手を出すと、
何度も何度手が伸びて、
食った量がわかんなくなって、
気がついたら袋が空だった、みたいな。

問題の選び方や並べ方もまた絶妙だ。
易しい問題で手筋に慣れさせておいて、
それを応用してちょっとずつ難しい問題が解けるようになり、
その過程でまた新しい手筋を発見し、とやっていくうちに
どんどん「へやわけ力」が上がっていき、
もはや芸術としか言いようのない最終問題へと導かれるのだ。
試行錯誤が必要な意地悪問題はなく、
ちゃんと「解かせる」意図を持った良問ばかりだ。

どんな人達がこれらの問題を作っているのだろう。
実生活では滅亡寸前のパズルジャンキーなんだろうか。
なんとなく、そうだったらかっこいいな、という願望を抱く。、


ちょっと語りすぎた。
この面白さは実際にやってみないとわからない。

あえてお勧めはしない。
どうなってもかまわないというのなら、溺れてみられよ。

読了指数
今回: +1
合計: -64

2013年2月17日日曜日

出:ラーニング・イン・ザ・ゾーン


[オーディオブックCD] ゾーン~相場心理学入門
[オーディオブックCD] ゾーン~相場心理学入門』(マーク・ダグラス、世良敬明・訳、パンローリング)

聞き流すだけでトレード力の上がる、夢の教材だ。

スポーツでよく言われる「ゾーンに入った」状態。
これをトレーディングにおいて作り出そうというのが本書の目的だ。

ゾーンとはどういう状態か。
それまでのトレード結果などに影響されることなく、
仕掛けるべきときがきたら躊躇なく仕掛け、
手仕舞うべきときには躊躇なく手仕舞う、
そういう心理状態だ。
まるっきり自動的に、機械的に売買できる構えだ。

トレードの経験者ならわかると思うが、
そういう状態になるのは極めて難しい。
どうしても、楽しいとか悔しいとか怖いとかいった感情が
トレードに影響してしまうのが普通だろう。

では、どうしたらゾーンに入れるのか。
とりあえず本書を「聞く」のが手っ取り早い。
通勤途中や家事をしながらでもよい。
坂本の場合は、作画作業をしながら聞いた。
何かしながら「読める」のがオーディオブックの強みだ。

耳で聞くだけではよくわからない箇所もあるだろう。
それはそれでいい。
まずは通して聞いて大まかな概念をつかむ。
それから繰り返し聞き、心にしみこませる。
一種のお経のようなものと考えればよい。

内容的にも、複雑な精神世界に立ち入り、
心理学から哲学、さらには宗教的な色彩さえ帯びてくる。
それが、筆者の実体験も含めた具体例を通して語られるので、
単なるお題目や抽象論に終わることがない。

毎日聞いているうちに、ある日突然フレーズが口をついて出てくる。
気がついたら、相場でとるべき行動を、自然と、ためらいなくとれるようになっている。
──かどうかは、まだそこまで聞き込んでいないのでわからないが。

聞いていて何度も、オレのよく知るとあるヤラレトレーダーの顔が浮かんだ。
本書で触れられている典型的なヤラレパターンが、
ことごとく彼に当てはまる。
彼にこそ本書を薦めたい。

読了指数
今回: +1
合計: -65





2013年2月14日木曜日

出:マルチーズ


マルタの鷹〔改訳決定版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
マルタの鷹〔改訳決定版〕』(ダシール・ハメット、小鷹信光・訳、ハヤカワ・ミステリ文庫)

今さらではあるが、この名作だ。

マルタの鷹というタイトルくらいは知っていたが、読んだことはなかった。
映画も見た記憶がない。

しかし、読んでいてしきりに、見たことあるような気になった。
要するに、今まで読んできた、見てきたあれやこれが、
みんなこの作品から出発しているのだろう。
もっと早くに読んでおくべきだった。

とはいえ、この「改訳決定版」は去年出たものだ。
訳がだいぶ変わっているらしい。
訳者が熱心に勉強した、という話があとがきにある。
その話はテレビでも紹介された。

様々な研究がなされているようであり、
逸話込みで楽しむ作品だ。

読了指数
今回: +1
合計: -66

2013年2月9日土曜日

入:推しパ


ペンシルパズル本154 へやわけ5(ニコリ)

坂本タクマの推すパズル、へやわけの単行本が出ていたので
15秒ほど迷ってから買う。

やはり大変に面白いのだが、
ちょっと困る。

幼い子供と酒飲みの妻を抱えて、
死ぬほど働かなくてはならないのにパズルとは!!
これ考えた人にはちょっとツラを貸してほしい。

読了指数
今回:  -1
合計: -67


2013年2月1日金曜日

出:読まずに書けるか


理科系の作文技術 (中公新書 (624))
理科系の作文技術』(木下是雄・著、中公新書)

ようやく読んだ。
今までこれを読まずに文章を書いてきた恐ろしさ。

文章で人に何かを説明しようとするすべての人が1度は読むべき書だ。

この本の説く書き方のうちのいくつかは、自分でもいつしか自然とルール化していた。
例えば「大事なことは前に出す」ということ。
これは、かなり意識してやっていないとできないことだ。
日本語の性質上、要点や結論がどうしても後ろへ後ろへいってしまいがちになる。
そうすると、重要な点になかなかたどり着かず、読んでいてイライラする文章になってしまう。

こういう日本語の性質について、本書では図を使って説明している。
なるほど、わかりやすい。
今までなんとなく感じていたことが、はじめて明快にわかった。

著者は、理科系でありながら、ものの書き方や言語についてちゃんと学んだ人だ。
少なくとも本書が書かれた時点では、日本にあまりいない存在だったのだろう。
本書がベストセラーになるのもうなずける。


理科系でなくとも、人に読まれる文章を書くけれども仕事ではない人でも、
本書に触れて文章力を向上させてみてはいかがだろうか。
そうして、ネット上の商品レビューなどに見られる、
とっちらかってなにが言いたいのかわからない文章が
少しでも改善されることを願う。
文字によるコミュニケーションは、紙メディア中心だった時代よりも
むしろ増えているくらいなのだから。

まあ、ひとのことはいい。
まずは本書の基準にもとづいて自分の書いたものを見直すところからはじめる。
 
 読了指数
今回: +1
合計: -66