2012年9月30日日曜日

出:暗闇での修行に


ハリウッド・リライティング・バイブル (夢を語る技術シリーズ)
ハリウッド・リライティング・バイブル』(リンダ・シガー、田中裕之・訳、フィルム&メディア研究所・監訳、愛育社)

技術を一からたたき直している。
だいぶ前に買ったこの本をようやく読む。

この本はハリウッド流のシナリオライティング、リライティングの技術書だが、
「お話」で食べていこうとするすべての人に参考になる情報が詰まっている。

ヒットした映画というのは、ほぼ、本書に書いてあるような構成になっているらしい。
確かに、最近観た何本かでは、そうなっていた。
ハリウッド映画、どれ観てもなんか同じ感じがする、というのもその辺りに原因があるのだろう。
ただ、こlこから大きく外れている映画は、どうも面白くない、しっくり来ない、心に残らない、
というふうに感じてしまうのも確かだ。

本書のセオリーから完全に外れて大ヒットをとるのは難しいだろう。
制作者側としては、ここを外したシナリオはなかなか使いづらいと思う。
しかしハリウッド以外の、日本や他の国の映画の中には、
ハリウッド流とは違うやり方でヒットを飛ばし、
名作として語り継がれるものもある。

この本の通りにやったからといって、
必ずうまくいくかというと、そんなこともないだろう。
徹底的にマーケティングして、シナリオを練り上げ、金を掛けて宣伝しても、
外すときは外す。
しっかりとした作りにしないと観てもらえるようなものはできないけれども、
今まで誰もやらなかったようなことを思い切って入れていかないと
観るに値しないし、そもそも作る意味もない。

というわけで、アイディアは沸くんだけれども
話がまとまらない、というような人には、
本書は強力な武器になるだろう。
ただ本書を1回読んだだけで身につくようなものでもなく、
この技術を踏まえた上で映画を何本も何本も観る必要がある。


本書を読んで映画館でメモをとりたくなり、
やってみた。
真っ暗で手元が見えなくて苦労した。
家で見返してみると何が書いてあるかまったくわからなかった。
暗がりでメモをとることも含め、修行であることに気付く。

読了指数
今回:+1
合計:-62