2011年11月28日月曜日

入:脳の左側で描く


初めてのイラスト教室(A.ルーミス、北村孝一・訳、エルテ出版)

どうやらこのエルテ出版という会社、倒産したらしい。
先日図書館で借りて読んだ『脳の右側で描け』という本が大変いい内容だっただけに残念だ。
 全部とはいわないまでも何冊かでも引き取って、継続して販売する出版社は現れなかったのだろうか。
美術書なんて、売れてもたかが知れていそうだし、 このご時世、喜んで手を出すような物件ではないのは確かだが。
エルテ出版の本はいずれ手に入れづらくなるだろうから、すぐには読まないだろうけれども買っといた。
ほとんどの本はいずれ手に入れづらくなるのであり、それを理由に買うことが積ん読の大きな原因となっている。

出版不況の話はこのくらいにする。
『初めてのイラスト教室』というこの翻訳本のタイトルにせよ、『Successful Drawing』という原書のタイトルにせよ、なんだかちょっと違うんじゃないかという気がする。
中身は主に遠近法の話なのであって、イラストを昨日今日描き始めた人が買うと、積ん読になることはまず間違いない。
遠近法は理屈であって、数字もふんだんに出てくるから、楽しく絵を描きたいだけの人はなるべくなら避けて通りたいところだろう。
しかし理屈で片がつくのなら「感性を磨け」とかいう話よりもよっぽどわかりやすいのであって、大人の趣味としても十分成り立つのではないだろうか。
「趣味は?」「遠近法です」
かっこいいではないか。

読了指数
今回:-1
合計:-55

2011年11月17日木曜日

入:スパルタ


The Natural Way to Draw: A Working Plan for Art Study(Kimon Nicolaides, Houghton Mifflin)

大変に時間がかかると評判の美術指南書。
評判なだけでなく、実際に物理的に何時間描け、と細かくカリキュラムが組んである。
その通りにやれば、確実に進歩するであろう。

その教程は、1日3時間の練習を1年間続けろ、というもののようだ。
県の中でも結構強うほうの部活、くらいの練習量だ。
「そんなに?」とも思うし、「そんだけでいいの?」とも思う。

ほとんどの学問・スポーツ・技芸で、高いレベルに到達するために一番大事なのは、
どれだけの時間をそのために費やしたか、ということだ。
それは絵でも例外ではない。

ああ、偉そうなことを言ってしまった。
また、何年か後に、お会いしましょう。

読了指数
今回:-1
合計:-54

2011年11月2日水曜日

入:解体新書


An Atlas of Anatomy for Artists(Fritz Shcider, Dover Publications)
Drawing the Living Figure(Joseph Sheppard, Dover Publications)

美術解剖図の本。とても売れている、ベタな選択だ。

また、悪いクセが出た。
同じ分野の本を続けざまに買うという。
しかし、この歴史的円高の中、洋書を買わないなんてことができようか?
この2冊、合わせて1500円ほどで買えた。

このような、骨や筋肉の図に横文字の専門用語でコチャコチャ書いててあるのを見ると
杉田玄白にでもなった気持ちがする。
坂本タクマがこれらを読んだところで
微塵も世の中の役に立たないばかりか
本人の役にも立たないと思われるのだが。

読了指数
今回:-2
合計:-53